ライフル

□ライフル 03
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―悪い夢だ、忘れた方がいい。


それには暗にトゲが含まれていて、つまりは。

「…忘れろ…てことか」

忘れろと言われて忘れられるほど人間の体は素直にはできていないだろう。時として記憶は美化し、そして人を縛る。特に、こんなに興味を惹かれたら。


興味、関心、ドキドキと表現されるソレ。
いつだか友人がある女子に恋愛感情を抱いたときに言っていた、感じていたらしいソレ。

今、ソレを感じる。


「……やる、やってやる。」

―見つけだす、

手放すものか。


バッとベットから立ち上がり机にむかう。

「ライフル…いや、銃?」

順序を追って、考えよう。

忽然と現れた彼女は手にライフルを持っていて。いや、銃?どちらにしろ、彼女はオレではなくゴミステーションに置かれていたらしい塊に向けていた。
ということはきっと。

「オレは狙われない、」

その銃口は向けられないだろう、だから命の心配はいらないと見る。

次に。

あの塊はなんだろう、
彼女が発砲した先の、巨大な物体。
ゴミの集まり、でいいのか。
異臭はしなかったから、生ゴミは含まれていない。(だろう)
見たところ、玩具がめだつ。
カラフルで、彩りが鮮やか、だった。

彼女が撃つ。
ゴミたちが転がる。

そして。
ひとつだけほかとは違い、彼女が持ち帰った、最後に転がってきた、小さなおもちゃ箱。

―おもちゃ箱から飛び出した、悪い子だよ。


…おもちゃ箱。



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