ライフル
□ライフル 02
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入ってこれないハズの空間に歪みを感じ、そこに向かうと忽然と立ち尽くす人間。
私のもつものを見ると、瞬間に青ざめ、両手をあげて命乞いをしてきた。
個人的には滑稽。
だって私の獲物はあんたじゃない。
地面を蹴る。
ゴミ・ステーション。
散らばっていたものを掻き集めて合体を繰り出して巨大化してきたガラクタが大きな高音を響かせ続けている。
「どうせ、喋れないんだろう低能」
ちっと舌打ちすると、それに応答するように人型となったガラクタが腕を振りかざす。
伸縮自在。なにより丈夫。
それらの一部は私に攻撃し、全てのかわされた攻撃がコンクリに穴をあける。
時々、ガラクタを構成していた部品のネジやらなにやらが飛び散り、一部が頬をかすめ、右足に傷をつけたが気になるほどではない。
足はまだ構成されていないため、ガラクタは動けないようだが、安心は出来ない。なんとか、核を先に見つけなければ。
どこだ。
頭か、腕のほうか。
大抵は左胸。
でも違う、感じない。
どこだ。
攻撃を避ける動作で宙に舞う。
空中で自由は効かないと理解しているのか(いや、それはないだろう)一部を投げたり、叩き落とそうと伸ばしてきた手形に容赦なく発砲する。
「───右耳だ!」
マンションの屋根に飛び乗り、走って後ろから右側へ飛び込み、
トリガーを弾く。
──っガシャン!
3発ほど、だろうか。
打ち込まれてそれはガタガタ、と盛大に壊れてゴミステーションから溢れだした。
「おわった」
コロン、とほかとは違う、小さなオモチャ箱が転がる。
ザ、エンド。
終演だ。