ライフル

□ライフル 01
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シーンと、した住宅街。今更だが、行くとこあるとか言ってこんな住宅街を分かれるなんて、何故あいつらは不審に思わないんだろうな。
明らかにこんな住宅街に用があるやつなんていないだろうよ…。

そんなことを思いながらトボトボ家までの道を遠回りしながらゆく。迂濶に家に近づくとあいつらが近くを歩いている可能性がある。友人の中には同じ町内会のやつがいたし……。

──ガシャンッ!


大きな音がした、不意に。
唐突すぎて思わず肩をすくめ、前を見る。
さっきまで定期的に吹いていた風は止んだのか、風は感じず、また夏特有の蒸し暑さも、じめじめした湿気も感じない。
どうしてか、心地よい、空間。
そんな中。


「…っ!」


蒼穹の瞳、碧色の短髪。
まとう純白のセーラー服。

彼女は、左手に、


「……っあ」


ライフルを持っていた。



「……な、なにも」

──見ていない!

条件反射もいいとこで、殺される殺される、とただただその思考が頭を支配する。ループし、ぐるぐる回る。
殺気の籠もったような眼にオレを映して、彼女はすたすた近づく。オレは左手のライフルから目が離せない。両手をあげて、抵抗はしません、と態度で示すと、彼女は首を傾げた。

──ドキリ

胸が鳴る。



ゆっくりと、彼女が唇を開いた刹那。






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