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□ハニワだけはやめてくれ
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ハニワ。―埴輪。
歴史上、古代に存在した供え物でよく古墳上に見られ、その形は様々である。古墳の持ち主の権力を偉大さを表すともいわれている。
……ハニワ。
目と口が、腑抜け。
「……………………ハニワ」
そう、まるで埴輪。ハニワだ。某アニメのハニ○さんではない、埴輪だ。
「寒いっ」
隣の女(断じて彼女ではなく、彼女にしたいくらい可愛さ愛らしさはあるのにその逞しさは何といったらいいのか…、彼女だなんで公言したら殺される…)は言う。
校則により、他校のちょっとチャラ系の女みたいにミニスカ制服ではなく、膝下前後と比較的長い。(すこし、それがいやだ。)
制服のデザイン自体もシンプルで、いかにも優等生校と物語っていて、典型的概念に捉われた学校と象徴している。
だから、こそ。
だからこそ、なんだ。
一言でいえば天の邪鬼。
もっと言えば、生意気で反抗的で素直じゃなくて、やりたいと思ったことはなんでも突き通してやる。筋が通っている、といえば聞こえがいいだろうが…。
筋を通すところが間違っている。
糸を針に通さないで耳に通すようなものだ。(細かいことはツッコむな)
極寒の地、日本の中でも北に位置するここで。彼女は。
「…ハニワ……」
ハニワになった。
「…は?はにわ?なに?」
「あ、い、いやその」
見るからに、はにわ。埴輪状態。
「なんか文句あるわけ?」
「いいいいいええ!と、とんでも!死んでも!ないっ!ないない!」
ハニワ。笑えねぇ…。
「あっそ、」
「―ってぇ!なにすんだよ」
「ハニワっていったじゃない」
「あからさまハニワだろ!」
「可愛いじゃない、ハニワ!」
苦しい言い訳だ。意地張るにもほどがあるっての。
「っーかとりあえず!」
ハニワだけはやめてくれ!
―――ハニワ。
つまりは、スカートの下にズボンをはくことです。
「流行りなんだから!」
「どこが!」