急募:常識人求ム
□急募:
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『……ハヤセマツキさん?………あ、18歳ですよね…いえ、体力のほどは?………そうですか。わかりました。採用します』
――――!?
流石神だ!やはり俺は…
『それでは目を瞑ってください』
…………?
『いいというまで目を開けてはいけませんよ、まぁ、そのままいてくれればいいですが』
―――――ピ♪
なんの音だ。
―――――ピ♪
時報の音に似ているが
――――――ピ♪
『いいですよ、目を』
あれ、というか俺。
さっきまで地面に寝転がったまま、広告を
「開けてください」
俺……電話なんか、したか?
開けてください、という声に促されてゆっくり恐る恐る目を開ける。
「………」
「あ、こんにちは」
「………」
「………」
「………」
「……え、あちらの言葉じゃこんにちはだったはず…え?じゃ、じゃあ……Hellow?!……え、違う!Buenos dias!……Guten Tag! あ、アンニュハセヨ!」
「なんだ、これ」
「……ha?」
確かに俺は東京にきて、東京の道端で空腹で倒れこんだはずだ。そして、偶然風に舞ってきた素晴らしい広告を手に、握り締めて、そのま、ま………
「死、んだ……?」
目の前に広がるのは白い街、白い建物。そして、
「Yes!……じゃないっ!まま、まだ!死んでませんよ!」
まるで田舎の湖のような、透き通った、色の短髪の女。
……ありえない。つまり
「……悪い夢か!よし!寝よう!じゃな、俺の夢のなかのカノジョ!」
「……えええぇ!カノジョじゃないしっ!」
突っ込みはそこか。