Novel
□儚く春に散る…生命
2ページ/17ページ
━教室━
悠夜「ハァ…」
こんな毎日を続ける自分に溜息する僕。。
そんな僕に…
友人「何溜息ついてるんだよ…悠夜」
彼は『斎藤和樹』…中学からの親友だ
悠夜「何でもないよ。。」
和樹「何だ?好きな女にでも振られたか?」
何でそうなるのか…理解に苦しんだ。。
―やがてホームルームから1時限目のチャイムが鳴り―
そのまま授業へ…。
━昼休み━
そこで僕はある事に気が付いた
悠夜「和樹…あの空席って誰のだ?」
その質問をしたのと同時に周りの空気が変わった…
和樹もいつもなら遠慮なしに返答して来る筈が、この時ばかりは遅れて返答してきた
和樹「あぁ…いるよ。ただ、ソイツは身体が弱くてさ。。」
僕は和樹の重々しい口調の意味が分からなかった
━放課後━
結局…和樹はそれ以上の質問には答えず「ごめんな」と言い、話しはそこで打ち切られたのだ。。
―あの空席…誰の席なんだろう―
僕は考えながら交差点を渡ろうとしていた
━ガッシャーン!!━
男「おーい!大丈夫かぁ!?」
―事故?―
僕は気になり、考えるのをやめて事故現場へと向かった…。
そして…僕の目に映った光景の中に、一人の女の子が横断歩道の真ん中で倒れていた。。。
僕は慌ててその子の元へ行き…
悠夜「君、大丈夫!?…だ、誰か救急車を!!」
彼女は反応しなかった…
―どうしよ…こんな時どうすれば良いんだ?!―
何も出来ない自分に罪悪感を覚え始めたその時…
女の子「う…うぅ…」
悠夜「まだ…生きてる?…」
僕は彼女が生きてる事に安堵したのと同時に、彼女を抱き上げた
そして…僕が向かったのは……
―急がなきゃ!急いで病院に!!―
悠夜「もう少しの辛抱だから頑張って!!」
僕は抱えている彼女を励ましながら病院へと急いだ―。
━病院━
少女「…ここは…」
少女は全体を見渡した後…自分の側にいる者に対し驚きが隠せなかった―。
そこには…疲れ果てて眠っている悠夜の姿だったのだ
そして、その場に居た看護婦が…
看護婦「彼が貴女をここ(病院)まで運んでくれたのよ。」
看護婦は、そう言ってその場を後にした。。
その時少女は、小さく微笑みながら呟いた
少女「ありがとう。。」