グレーテルの足跡
□90万HIT記念SS
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するとみるみるあの無表情が崩れていく。
今は真っ赤になって、まるで沸騰したヤカンのようだ。
「な、なななんっ!!!」
「クスッ、一哉君てふだんは無表情なのに性的なことになると崩れるよね。」
「せっ!!!!」
僕は目を細めて微笑みながら、一哉君を掴んでいる腕を自分の方に引き寄せる。
そして、まだ真っ赤な顔に自分の顔を近づけていく。
一哉君は混乱しているのか、僕がまた顔を近づけていっても、目を見開いたままの状態で固まっている。
クスッ
なんでこんなに可愛いんだろう。
人をこんなに可愛く感じたことっていままであっただろうか。
後少し。唇と唇がもうあたるんじゃないかと思うくらいの所でピタッと止まる。
多分、一哉君の頭は真っ白だろうな。
息まで止めちゃってるし……
そんな一哉君が愛しくなる。
あー……なんでこんなに可愛いんだろう。
僕はそう思いながら、そのままの至近距離でクスッと笑う。
「フフフッ、いいの?一哉君。そのままだと………キスしちゃうよ?」
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