グレーテルの足跡

クリスマス企画
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俺は慌ててその場に立ち、アタフタする。



そんな俺を風間先輩は冷静に見ながら扉を閉めた。




「委員会がないのにここの電気が点いてるのが見えて来てみたんだが……。」




風間先輩はその場でジッと俺を見る。




「何をしてるんだ。」




切れ長の目で俺を見つめてくる風間先輩に、俺はさらに焦る。




「あの…っえー…っと!!!」




どうしよ!!どうしよ!!先輩達にはケーキのこと秘密なのに!!!




俺はどうにか言い訳をしようと、頭の中の引き出しを漁るがなかなか良い言い訳が出てこない。



視線をキョロキョロ左右上下に動かしながら、チラッと風間先輩の方を見ると、さっきまでと違い、いつもの威圧感たっぷりの目と合ってしまった。



ぎゃ―――――!!!!まさか風間先輩怒ってる?!!俺が理由を言わないからか!?どうしよう!!
クリスマスケーキのことは秘密なのに!!!でも、今の風間先輩に嘘ついたら……一発で見破られる自信ある!!!



うーうー…とうなった後、俺は肩を落とす。



ダメだ。このままじゃ風間先輩の視線に耐えられない。


「あの……実は……明日ってクリスマスですよね。それで……あの……」



非常に言いにくくチラッと風間先輩に目を向けるとまだ威圧感たっぷりの視線で俺を見ていた。




ひぃぃぃぃー!!!コワッ!!!



ゴクリ、と唾を飲み込むとまた口を開く。




「あの……いつも先輩達にお世話になってるから、クリスマスケーキ作って明日みんなで食べようかなって思ってて、そのレシピを探してたんです。」




あー、言ってしまった。
でもあの威圧感オーラ全開の風間先輩には逆う勇気、俺にはありません。




俺はビクビクしながら風間先輩を見ると、あの威圧感は消えていたが、俺の方に歩いてきていた。




えー!!えー!!何!?恐い!!恐いよ!!

無言で寄ってくる風間先輩におびえながら俺はその場で固まる。











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