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「一哉君、一哉君。」
どれくらい寝たのだろう。
多分、あまり時間は経ってないと思うが、俺は誠也先輩の優しい声と頭を撫でる心地よい手によってだんだん意識が浮上していく。
「ン……誠也、先輩?」
俺は目をこすりながら誠也先輩の顔を見る。
そこには優しい顔の誠也先輩がいて、俺はさっきの格好のまま誠也先輩に抱きしめられていた。
意識がしっかりしてきた中でさっきまでのことを思い出すと、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。
「!!!!……あ……ごめんなさいっ、誠也先輩。」
俺は顔に熱が集まっているのを感じながら、急いで誠也先輩の上から退こうとして、それを誠也先輩によって止められる。
「一哉くんは何に謝ってるの?一哉くんが謝ることなんて一つもないよ。」
「お!!俺は……誠也先輩に、あんなっ…ことさせてしまっ」
俺は泣きそうになりながら言っていると誠也先輩の右手が俺の頬に優しく伸びてきた。
「あんなことって……一哉君をイかせたこと?」
伸びてきた誠也先輩の手にピクッとなったが、誠也先輩は気にせず俺の頬を撫でる。
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