グレーテルの足跡
□130万HIT記念SS
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「風間先輩、今日はよろしくお願いします。」
「……ああ。」
今はテスト週間で、俺は今まで休んだ分を風間先輩に教えてもらいに来ている。
なんと風間先輩は今俺がやっている分野の勉強はやったことがあるらしく、テスト週間ということもあり教えてもらうようになったのだ。
最初は風紀委員室でしようとなっていたけど、テスト週間にも関わらず、他の風紀の先輩達がくつろいでいるので風間先輩の部屋に来ている。
やはり風間先輩の部屋は必要最低限の物しかないシンプルな部屋だが、置いている家具などで高級さが染み出ている。
ボーっとしていると、風間先輩が横から身を乗り出してきた。
「どこが分からない。」
「あっ、すみません!!えーっと……ここのところからなんですけど……」
相変わらずのオーラを放つ風間先輩に一瞬ドキッとする。
少し焦って俺も勉強に集中しようと教科書に目を向ける。
俺と風間先輩がいるのはリビングの部屋で、低いガラステーブルのところで座布団に座って勉強している。
しているんだけど………。
サワサワ…
サワサワサワ
「あの………か、風間先輩?」
「なんだ。」
いや…なんだじゃなくて。
勉強してる俺の頭を撫でている手がものすごく気になるのですが……
って、それより何で隣に座っているんだ?机を挟んで反対側の方が広いのに……
頭を撫でていると思ったら、時折髪をかき上げたり、首筋に指が触れてビクッ!!となったりで全然集中できない。それにずっと風間先輩の視線が気になって気になって……
今もまだその手をどかそうとしないもんだから俺は内心焦っている。
そう内心。……所詮俺の顔は無表情。
口にしなければ風間先輩は気付くことはない。
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