グレーテルの足跡

50万HIT記念SS
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俺と一哉は幼なじみだ。



物心ついた時から常に一緒にいた。



家が隣どうしで親同士も仲が良く、俺が一哉の家に遊びに行ったり、逆に一哉が俺の家に遊びに来たりしていて、本物の兄弟のように過ごしていた。




あれは俺が5歳の頃、私立の幼稚園から自宅の車で帰って来た時………







****






「和樹。」


「一哉!!待っててくれたの?」



俺ん家のでかい門の前に立っていた一哉がコクンッと頷く。



俺はそれが嬉しくて車から降りると駆け足で一哉のもとに行こうとしたら執事の井上からそれを止められる。



「和樹様、残念ですが今日は先生方がいらっしゃるので一哉様とは遊べませんよ。」



井上のその言葉に俺はものすっごい嫌な顔をして井上を睨む。



「えぇ――――!!!やだよ!!昨日もやったじゃん、今日は一哉と遊ぶんだ!!!」



「昨日は算数、国語、英語でしたけど今日はダンス、習字ですよ。先生方もお待ちしておりますので行きましょう。」



そう言って俺の手を引く井上に、思いっきり抵抗する。




「いやだいやだ!!!今日は一哉と遊ぶんだ!!じゃないと一生勉強しないからなー!!放せ井上ぇ〜!!」


「はぁ、困りましたね………では、今日の習い事が終わってからというのはどうでしょう。そうしたら一哉様といくら遊んでもかまいませんよ。」




井上のその言葉に和樹は悩む。



習い事が終われば一哉と遊べるが、一哉を待たせることになる。でも一哉は和樹が幼稚園から戻ってくるのをずっと待ってたからこれ以上待たせるのも悪い。




「うぅ…」っと和樹が葛藤していると、一哉が和樹の服を引っ張る。










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