グレーテルの足跡

40万HIT記念SS
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「一哉君悪いね、手伝ってもらっちゃって…」



「いえ、大丈夫です。」




俺は申し訳なさそうに謝る零次先輩に答える。




今俺は生徒会室に来ていて、大量の仕事が残っている生徒会を手伝っている。




沢木副会長から直々に頼まれて、仕事がどうしても終わらないらしく、手伝っているというわけだ。




「一哉く〜ん♪零ちゃんのとこじゃなくて俺のところ手伝ってよ、優しくするからさ♪」





そう茶目っ気たっぷりに言いながら長瀬会長が俺に近づいてくる。




俺はギョッとして、後ずさりながら長瀬会長から距離を取っていると、沢木副会長が会長の襟元をつかんでそれを阻止する。





「やめろ晴之、風間からやっとの思いで一哉君をかりたんだ。一哉君に手出ししたらこれからは絶対かさないと言われたんだ。」




「そうですよ会長、せっかく戦力になる一哉君が手伝ってくれているのに、それを邪魔する気ですか。それより会長も仕事やってください。」





恐い顔をした沢木副会長の後から零次先輩も言葉を付け足す。





「え〜、せっかく一哉君が来てるのに〜」





ぷ〜、っと頬を膨らませてこっちを見る長瀬会長を見てると、後ろから重みを感じた。




「長瀬会長、一哉には指一本触れさせませんよ。」




そう言いながら俺に抱きついてきた和樹は長瀬会長を睨んでいる。




「…………和樹」




「一哉、俺が悪の魔人から守ってみせるからな。」






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