グレーテルの足跡

90万HIT記念SS
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笹原誠也編




「一哉君、今日の紅茶はアールグレイだよ。」



「………そうですか。」



いつもの風紀委員室。
いつものお茶の時間。
いつもの無表情で返事を返す一哉君。




なぜか僕はそれだけで嬉しくなる。



「フフフッ、明日は何がいいかな。ねぇ、一哉君は何が飲みたい?」



隣に座り、僕が淹れた紅茶を飲んでいる一哉君の顔を覗き込む。





「んー…別に何でもいいですよ。」





そう言いながら机の上にあるお菓子を取ろうと手を伸ばしている腕をガシッ!!と掴む。






そんな僕に驚いたのか、一哉君は僕の方を見たまま固まっている。








「あの……誠也先輩?」





腕を持ったまま動かない僕に、今度は一哉君が覗いてくる。







「誠也せ……」

「チュ」






近づいてきた一哉君の頬めがけて唇を押しつけた。









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