グレーテルの足跡

70万HIT記念SS
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犬山零次編




最近一哉君がよく目に入る。



それはこの前あった交流会のゲームで、生徒会の手伝いをしに生徒会室に来てるからなんだろうけど。



チラッとパソコンにかじりついている人物を覗き見する。



無表情で指を高速に動かしている姿は何かちょっと怖い。



でも、それがほんの少し可愛いかもと思っている自分はどこかおかしいのかもしれない。



「犬山、この書類をあっちのファイルに入れてくれ。」


「はい!!!沢木先輩!!」




「喜んで!!」と、沢木先輩の言葉に俺は即座に反応する。




はたから見れば、俺の後ろには犬のしっぽがついているように見えるだろう。



それほど沢木先輩の言ったことに俺は過剰に喜ぶ。





「零ちゃ〜ん。俺忙しいから、この仕事半分して〜」



「あー……無理です。俺、沢木先輩の手伝いで忙しいので長瀬会長自分でやってください。」




長瀬会長の仕事と言っても、書類にハンコを押す簡単なものなのになんであんなに残ってるのかいつも不思議です。




まあ、それは長瀬会長がサボってたり、他の人にちょっかいかけてるからなんだけど。




……自業自得でしょう。



沢木先輩は長瀬会長の分まで仕事をしてるっていうのにこの人は……。




長瀬会長、自分の仕事は全部やってもらいますよ。




俺は書類をファイルに入れると沢木先輩のところに戻る。




「え〜!!そんな零ちゃんヒ・ド・イ!!啓介の仕事は手伝って俺の仕事は手伝えないって言うのー!!」



ぶーぶー言いながら自分の椅子をクルクル回している長瀬会長を無視して、また俺は自分の作業を開始する。












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