グレーテルの足跡

40万HIT記念SS
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そう言って、一哉の右頬に手を当て、佐上は顔を近づける。




すると一哉の手に持っている袋に視線を落とす。




「これって賞味期限切れの生チョコやんけ………って一哉!!まさかこれ食べてんのとちゃうよな!?」





そう言いながら焦る佐上をよそに、一哉は至福のひと時に浸っている。





「あかん!!!一哉はよ出し、そんなもん食うと腹壊すで!!」






必死に一哉の肩を掴む佐上に、一哉は頬をまだ染めて微笑んだまま聞く耳を持たな。





大丈夫ですよ。こんなに美味しいんだから。




内心そう思いながらフフフと笑っていると佐上先輩が叫びだした。




「あかん言うてるやろ!!はよ出せ、はよ出さんかい一哉!!!!」






佐上先輩は片手で挟むように一哉の頬をグッと掴むと、生チョコを出させるようにもう片方の指を一哉の口の中に入れる。






「んんっ!!!!・・・んー!!んん!!」





一哉は佐上先輩のいきなりの行動に驚きながらも、口の中のチョコレートを気にする。






待って!!まだ食べられるんだって!!大丈夫なんだって!!腐ってないんだって!!





俺は急に口の中に入って来た指を必死で止める。





「往生際が悪いで一哉、ほら、出さんかい。」





佐上はニヤリとして、無理やり一哉の口に指を入れる。





「一哉〜タルト切ったから食べ…………って佐上先輩!!一哉に何やってるんですかー!!!」






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