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隠しきれなかった気持ち
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『ハッフルパフの奴なんて人間、終わってるね』




大好きな彼から聞こえてきた一言。
入学して、まだ一週間もたたない頃だったかな?
まぁ、知ってはいたケド…リアルに聞くと、ほんとショック…


私がハリポタの世界に”トリップ”して、もう5年。
初めは、何でも王道に物語りが進むんだと思ってた。

でも、与えられたモノは少なくて、まるで日本で過ごしてきた自分の生活を、単にハリポタの世界に当てはめただけみたい。


私は、この世界でも特別じゃなかった。





「………もう一度聞くけど、…なんでマルフォイなの?」


隣を歩くのはハーマイオニー。彼女とは大親友で、この質問は5年も前から繰り返されている。


「…彼の”本当”を知ってるから!…知っちゃったら、ハーマイオニーだって惚れちゃうよ」


「や、やめてっ。絶対ないから。本当に勘弁してっっ」


顔を青くして、私の話しを聞く彼女に思わず笑ってしまう。
吸い込んだ空気は、とっても甘ったるくて女子は、それぞれの形の何かを持っている。
それは、二人も例外ではない。


「…じゃぁ、コラムはマルフォイにチョコレートを渡すのよね?」


「うん!受け取って貰えないのは解ってるんだけど…」


そう、今日はバレンタイン。
女子が手にする、様々な何かとはチョコレートの事。
グリフィンドールのうさぎさんが、”日本のバレンタインでは…”とたった一言、呟いたのがきっかけで今年のバレンタインは日本式になってしまったのだ。

甘ったるい臭いは、昨日から学校中に漂い、男子も女子もどこか落ち着きがない。


「コラムって本当に一途よね。どんなに、嫌な顔されてもマルフォイに話し掛けるんだもん。」


「だって…少しでも私の事、知ってもらいたいから…」


「でも、その度に酷い事言われてるんじゃねぇ」


「そんな事ないもん!最初は酷かったケド…、今はちゃんとお話し聞いてくれるもん…」


「ふーん…」


「もぅ、いいじゃない!私がドラコ君の事好きなのは、絶対変わらな……」




”神様は多分、私の事が嫌いなんだ。”



そう、思わずにはいられなかった。

ハーマイオニーとの話しに夢中で、向かえの曲がり角から人が来た事に気づかなったのだ。

それは、話しの渦中の彼で…


「…今の話し…」


大きく目を開き、明らかに驚いているドラコ・マルフォイ。
私は、頭が真っ白でドラコが発した言葉の後には、どうしても拒絶のイメージしか浮かんでこない。
 
 
 
 
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