キズナ
□第2話『笑顔の君へ』
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<3−D教室>
木村「やっぱあの笑顔がカワイーよな!なぁオレ達に紹介してくれよ?」
平「は?誰のコト言ってんだ?」
佐々木「隣のクラスの藤下結ちゃんだよ!おまえ達幼なじみなんだろ?」
平「へぇ、そんな人気あるのかアイツ」
万「おまえ部活の時のギャラリーに気付いてなかったの?」
平「だってあれはおまえ目当てのギャラリーだろ?」
万「バーカ、男がオレ目当てな訳ないだろ?アイツらはみんな結を見に来てんだよ」
平「マジ!?」
*****
<放課後・体育館>
ーーー日本に帰ってきてから3週間。
クラスメイトともほぼ打ち解けて、特に同じ部活の祥子とはすっかり親友になった。
毎日の楽しみはやっぱり放課後の部活の時間。
でも放課後を楽しみにしているのはあたしだけではなくて―――。
女子A「キャー日下先輩!カッコイイ!」
女子B「万ちゃーん!頑張ってー!!」
―――この3週間でわかったこと。
万ちゃんはスゴくモテる。
なんでもファンクラブまであるらしい。
花「アレをなんとかしろ日下!練習の邪魔だ!」
万「ギャラリー多い方がみんなやる気でるっしょ?」
花「おまえ目当ての女子相手に誰がやる気がでるか!それにオレはマコトさん一筋だ!」
平「花シマダ!オレもコート練習に出せ!基礎練ばっかもうウンザリだ!」
花「フン、もし一発でフリースローが決めれたらコートに出してやってもいいぞ?まぁチビッ子には到底ムリだろうがな!」
平「何だとォ!?バカにしやがって!」
祥子「…毎度ながら男子は騒がしいわね。女子は今から10分休憩ー!」
「ホント万ちゃんって毎日すごい人気…ちょっとからかってこよっと!」
祥子「…アンタも人のこと言えないでしょうに」
*****
万「あのさ、みんなの応援はありがたいんだけど、もう少し静かに見ててもらえないかな?」
女子「キャー!日下くん!」
万「いや、だからその声をもうちょっと落してくれると嬉しいんだけど…」
「今日もモテモテだね、万ちゃん?」
花「オマエもなんとか言ってくれ、藤下!」
「いやあたしに言われても…」
万「そーそー、アッチはオレじゃどうにもなんないからな?」
そう言って万ちゃんが指差した先には男の子達の集団がいる。
「すごいねー万ちゃん、男の子達のファンクラブまであるなんて」
万「…なに平みたいなコト言ってんの。あれは結の目当ての奴らだろ?」
平「なんか結、人気あるみたいだぞ。ウチのクラスの奴らも騒いでたし」
「えっ!?ないない!そんな訳ないって!…それより平ちゃんどうしたの?その膝のサポーター」
平「ああ、なんか最近関節が急に痛くなる時があるんだよな」
万「そりゃ成長痛ってヤツじゃね?急に背ェ伸びたりする時ってそうなるよ」
平「マジ!?…よーしこれで花シマダにチビッ子だなんて言わせねーぞ!」
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