キズナ


□第2話『笑顔の君へ』
1ページ/10ページ


<3−D教室>
木村「やっぱあの笑顔がカワイーよな!なぁオレ達に紹介してくれよ?」

平「は?誰のコト言ってんだ?」

佐々木「隣のクラスの藤下結ちゃんだよ!おまえ達幼なじみなんだろ?」

平「へぇ、そんな人気あるのかアイツ」

万「おまえ部活の時のギャラリーに気付いてなかったの?」

平「だってあれはおまえ目当てのギャラリーだろ?」

万「バーカ、男がオレ目当てな訳ないだろ?アイツらはみんな結を見に来てんだよ」

平「マジ!?」





*****
<放課後・体育館>

ーーー日本に帰ってきてから3週間。
クラスメイトともほぼ打ち解けて、特に同じ部活の祥子とはすっかり親友になった。

毎日の楽しみはやっぱり放課後の部活の時間。
でも放課後を楽しみにしているのはあたしだけではなくて―――。



女子A「キャー日下先輩!カッコイイ!」

女子B「万ちゃーん!頑張ってー!!」



―――この3週間でわかったこと。
万ちゃんはスゴくモテる。
なんでもファンクラブまであるらしい。



花「アレをなんとかしろ日下!練習の邪魔だ!」

万「ギャラリー多い方がみんなやる気でるっしょ?」

花「おまえ目当ての女子相手に誰がやる気がでるか!それにオレはマコトさん一筋だ!」

平「花シマダ!オレもコート練習に出せ!基礎練ばっかもうウンザリだ!」

花「フン、もし一発でフリースローが決めれたらコートに出してやってもいいぞ?まぁチビッ子には到底ムリだろうがな!」

平「何だとォ!?バカにしやがって!」

祥子「…毎度ながら男子は騒がしいわね。女子は今から10分休憩ー!」

「ホント万ちゃんって毎日すごい人気…ちょっとからかってこよっと!」

祥子「…アンタも人のこと言えないでしょうに」





*****

万「あのさ、みんなの応援はありがたいんだけど、もう少し静かに見ててもらえないかな?」

女子「キャー!日下くん!」

万「いや、だからその声をもうちょっと落してくれると嬉しいんだけど…」

「今日もモテモテだね、万ちゃん?」

花「オマエもなんとか言ってくれ、藤下!」

「いやあたしに言われても…」

万「そーそー、アッチはオレじゃどうにもなんないからな?」



そう言って万ちゃんが指差した先には男の子達の集団がいる。



「すごいねー万ちゃん、男の子達のファンクラブまであるなんて」

万「…なに平みたいなコト言ってんの。あれは結の目当ての奴らだろ?」

平「なんか結、人気あるみたいだぞ。ウチのクラスの奴らも騒いでたし」

「えっ!?ないない!そんな訳ないって!…それより平ちゃんどうしたの?その膝のサポーター」

平「ああ、なんか最近関節が急に痛くなる時があるんだよな」

万「そりゃ成長痛ってヤツじゃね?急に背ェ伸びたりする時ってそうなるよ」

平「マジ!?…よーしこれで花シマダにチビッ子だなんて言わせねーぞ!」




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ