蒼色デイズ


□#1.初恋までの5メートル
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大キライ、と今まで何度言ったかわからない。



「ほんっとムカつく!バカトラ!」

「んだとォ!それはコッチのセリフだ、バカ奈津ッ!」



憎まれ口を叩いて叩かれて、それでも心地良いと思ってた。
近くにいれさえすれば、それでいいと思ってた。



「あ〜もうマジかわいくねぇっ!おまえってホントに女かよ?」

「…!」



―――でもいつからか、ふとした拍子に胸が痛むようになって。
苦しさを感じる胸に込み上げてくるようになった、伝えられるはずのないコトバ。



「……」

「あ?文句があんならハッキリ言えよ」



そのコトバを。
とっくの昔から気付いてた自分の想いを。
目の前の相手に伝えたその瞬間、あたし達の15年はどんな風に変わるんだろう。



「……い」

「は?聞こえね…」

「…トラなんか、大大大だーい嫌いッ!!」




*****



―――またやってしまった。



コレだけ“嫌い”を連呼しておいて、それでも自分がアイツの近くにいられるこの環境には本当に感謝してる。

それは嬉しくて苦しい、近くて遠い、そんなキョリ。




#1.初恋までの5メートル




隣に住む鷹丘虎雄の幼なじみ歴15年。
そして片想い歴6年のあたし、青鷺奈津は、明日から高校生になる。



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