HUNTER×HUNTER

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【第一話】



『ザバン市、到着っと…』



おばば様の占いによって、ザバン市にハンター試験の会場がある事が分かった。


地上に着いてから何度も開いては閉じたボロボロの地図を片手に、やっとここまで辿り着いたのである。


…しかしその先が分からなかった。


おばば様の占いは確かに当たるが、それは断片的なので詳しくは出ないのがたまに致命傷でもある。


きっと世間ではこれを迷子と言うのだろう。


それに加えて初めての地上という事もあり、不安に押し潰されて上手に呼吸が出来ていない。



『うっ……』



しまいには視界がぼやけ始め、思わずその場から動けなくなってしまった。



(落ち着け自分、落ち着け自分)



瞳を閉じながら深呼吸していると、ふと人の気配を感じた。


そーっと目を開けてみると、初めて見た。


ピエロの人間に…!


思わず釘付けになってしまう私。


そんな私の視線に気付いたのか、ニコニコしながらそのピエロが近付いてきた。



「何か◆?」



自分の目の前に来て、初めて気付いた。


あ、関わってはいけない部類のやつ、だと。



『いえ、何でもないですよ』



ぎこちない笑顔かもしれなかったが、すぐに離れた。


振り返らない、振り向いてはいけない。


我ながら難を逃れたと一安心した、その時だった。



「逃げる事ないじゃないか♤」



距離をとったはずのピエロが私の目の前に立っていた。


不敵な笑みを浮かべながら、どこから出したのか分からないトランプを弄んでいる。


暑くもないのに冷や汗が一筋流れた。


この状況をどう対処すべきなのか、頭の中をぐるぐるした結果…私はこう言った。



『す…、素敵なピエロさんですね』



そう言ってニコッと笑ったのだが、相手は不敵な笑みのまま無言。



(海に帰りたくなってきた)



やや現実逃避を始めた私に、ピエロがこう言い始めた。



「これからボクの予知能力をお見せしよう♤」


『予知能力?
(おばば様と同じ占いみたいなもの?)』


「1から13の間で好きな数を1つだけ選び、頭の中で思い浮かべて◆」


『(…"4")』


「いいかな?その数に4を足して、さらに倍にする♡」


『(ふむふむ…)』


「そこから6を引き、2で割った後に最初で思った数を引くと…いくらになるかな?」


『(えーっと、…)』


「ボクにはその答えが最初から分かっているよ♤」


『え?』


「答えは、"1"だろ?」



私は目をぱちくりさせてしまった。



(この人本物だ………!!)



もしかしておばば様と同じように未来が見えるのかもしれない。


と、いう事は…………。



『教えてもらいたい事が!』


「何だい?」


『今年のハンター試験の場所を占って欲しいんです!』


「…ボクにそれを?」


『出来ると思います』



ピエロの彼は一瞬ポカンとしたのだが、すぐにニコニコと笑った。



「いいだろう♤これも何かの縁かもしれないし、ボクがハンター試験の場所まで教えてあげる♡」


『ありがとうございます!えっと…お名前は?』


「ボクの名前はヒソカ♡」


『私は華奈です。よろしくお願いします、ヒソカさん』


「ボクの事は呼び捨てでいいし、敬語も必要ないよ♡」


『じゃあヒソカで!』


「うんうん♤じゃあついておいで♡」



そう言ってヒソカはスタスタと歩き始めた。


その後に続いて私も歩く。


根は優しい人みたいで安心した。



(ひとまずこれでハンター試験の会場までは大丈夫そう)



大人しく私は黙ってヒソカの後について行った。




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