暗殺教室

□カルマの時間
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ーーーーー翌日…


『遅刻だーっ!!もうHRが始まる時間になる!!』



昨日はあれこれ考えながら眠りについたみたいで、気付いたら家を出る時間になっていた。


普通なら親が起こしてくれるのだろうけど、私は三年になってから一人暮らしをしている。


…訂正、一人暮らしをさせられている。


理由は簡単、E組に落ちたから。

私の父親は警察官幹部の人間で一言で言うとお偉いさん。


母親は日本人なら誰でも知っている有名なピアニスト。


こんな二人の間に産まれた私は小さい頃から英才教育を受けて来たのだが、結局はエンドのE組の生徒。


E組行きだと知った途端、この家から出て行ってくれと言われ、今住んでいるマンションへと追い出されたのである。


それ以来二人の顔は見ていない。

(お金に不自由のない生活をさせてもらってるからいいけどね)


学校に着いて急いで上履きを履き、走って教室に向かう。


いつもならそろそろ殺せんせーの声が聞こえてくるのだが、今日は全く聞こえない。


不思議に思いながらも私はこっそり後ろのドアから教室に入った。


私はすぐに違和感を覚える。


何でだろうと思っていると、昨日まではなかったあるモノが教壇の上に置かれていた。



『…何あれ』


「あ、日南さんじゃん。おはよー」



私の存在にいち早く気付いたのは赤羽だった。


昨日私に向けてきたあの笑顔を今日も向けてくる。



『教壇にあるのって…』


「あぁ、あのタコ?殺せんせーと間違えて殺しちゃったんだよね」



ケラケラ笑っている赤羽に反省の色はない。


もう一度教壇を見る。


あのタコを殺せんせーに見立てたんだろうけど正直な所、嫌な気持ちしかしない。


私は黙って自分の席に着く。

するとそれと同時に殺せんせーが教室に入ってきた。



「おはようございます。…ん?どうしましたか皆さん?」



殺せんせーが教壇のタコに気付く。


それを見て赤羽が舌を出しながらごめーん!と言いながら、思いっきりこの状況を楽しんでいた。



「俺が責任持って捨てとくから持ってきてよ」



殺せんせー赤羽に言われるがまま、殺されたタコを持って赤羽の所へと近付いて行った。


私はドキドキしながら見ていると、急に殺せんせーの触手がドリルになった。


え?とクラス中が思っている中、自衛隊から奪ったというミサイルで何かを作り始めた。


マッハ20のスピードで何を作っているのかは分からなかったが、やっとそれを確認出来たのは赤羽の口にその物体が入ってからだった。



「あっつ!!」


「マッハでタコヤキを作りました。その顔色では朝食を食べてはいないでしょう」


(あ、美味しそう)

不覚にもそう思ってしまった私。


そして殺せんせーは赤羽にこう宣言した。



「今日一日、本気で殺しに来るがいい。先生は君が殺しに来る度にその錆びて鈍った暗殺者の刃を、放課後までにピカピカに磨いてあげよう」



こうして殺せんせー対赤羽業の勝負の火蓋が切られたのだった。



END.
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