暗殺教室

□暗殺の時間
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ーーーーーーーー…


これは私がまだ、A組にいた頃の話である。

全てはここから始まった。




「日南さん、実は君のことが好きなんだ。付き合ってくれないか?」


『……ごめんなさい。付き合えません』


「…どうして?」


『だって…、貴方っていつもどこかでお父様に対して怯えているように感じるから』


私は素直に言っただけだった。

しかしこれが仇となり、私はA組からENDのE組へと落ちていったのだ。

それまでの私は至って普通の生徒であった。

いや、普通よりも上だったのかもしれない。

勉強の成績は常に学年で2番。

スポーツも出来たし、素行は真面目で文句の付けようがない位だった。

それなのに私はE組に落とされた。

理事長室でE組行きを宣告され、教室に戻って来るとクラスの皆の目が痛かった。


「ねぇ、聞いた?日南さんってE組に行くらしいよ」


「でも当然じゃない?ーー君のこと拒否したんでしょ?」


「自分のこと何様だと思ってるんだろ。本当、E組がお似合いだよね」


私は言い返すことも出来ず、ただ黙ってスカートの端を静かに握り締めていた。


そしてE組の生徒になって、新しい環境へと変わって行った。

"E組で新たに頑張ろう"、そう思いながら。

しかしいきなりあのワードが私の居場所をなくしていく。


「日南さんってA組にいたらしいよ」


「えー…。何でA組の奴がいるんだよ」


「相当なことをやってたっていう噂あるけど」


「正直、 関わりたくない よね」


それ以来私はE組で頑張ることをやめた。

もちろん仲間もいらない。

こうして私は残りの中学生活を一人で過ごすことに決めたのであった。







古い木製の壁に掛かっている時計が、5時間目の授業が始まる時刻を示す。

それと同時に昔の記憶から現実へと戻された私。

ぼーっと黒板を見ていると、先生が教室に入ってきた。




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