暗殺教室
□暗殺の時間
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【第1話:暗殺の時間】
今から話すことを、一体どれ位の人達が信じてくれるのだろうか。
私、日南華奈が中学3年に進級したばかりの頃、2つの事件に同時に遇った。
ーーーーー…
「月が!!爆発して7割りが蒸発しました!!我々はもう一生三日月しか見れないのです!!」
このニュースが全世界に放送されたのが全ての始まりだった。
初めは信じられなくて嘘だと思っていたが、毎日のようにそのことだけを流すニュースを見ていると段々現実味が湧いてきた。
それから間もなく、私達3ーEに新しい先生が就いたのだが…
「初めまして、私が月を爆った犯人です」
新しい先生は人間ではなかった。
タコの形をした未確認異性物、またはどこかの国でつくられた核兵器なのかと疑った。
しかも第一声が月を爆発したとカミングアウトした段階で、私は"学校生活終わった"と感じた。
もちろん私の気持ちに気付くはずもなく、新しい先生はこう言った。
「来年には地球も爆る予定です。君達の担任になったのでどうぞよろしく」
もはや5,6か所ツッコませて欲しいとクラスの全員が思ったに違いない。
それから防衛省の烏間さんという人が来て、詳しいことを聞かされた。
簡潔にまとめると"成功報酬の百億円の代わりにこの怪物を殺して欲しい"という、各国首脳だけが知っている任務を託された、という訳である。
それから何日かが過ぎたある日のこと。
お昼ご飯を食べ終え、自分の席に座ってのんびりしていると隣の席の磯貝君が話しかけてきた。
「日南さんはさ、本当に先生を暗殺出来ると思う…?」
『…国のトップの人達でさえ出来ないことを、私達が出来るとは到底思えないけど』
冷たく言い放つ私の言葉に、近くにいた前原君が磯貝君に向かって囁く。
「おい、磯貝。日南に話しかけるのはやめろよ」
「え?何で?」
「だってクラス皆に冷たいしさ。それにあいつ、元A組だぜ?」
"元A組"
今となっては反吐が出るワードだ。
E組になってから何度同じことを言われたのだろうか。
私の頭の中に少しずつ嫌な記憶が蘇ってきた。
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