novel
□俺の恋敵は。
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「あ、榛名」
「は?」
・・・やばい
部活の帰り、電車に乗っていた俺は制服姿の榛名元希を見かけてしまい、つい声を出してしまった
そういうのってよくあるだろ?
思いがけない人と出会っちゃった時とかさ
今の状況がこれ
「ぁっえと…」
「…たかせ?」
「え」
ええ!?
「桐青の投手だろ?確か、タメ?」
なんでそんなに知ってんだろ
「はい」
「敬語はよせよ、で何で俺のこと知ってんの?」
「春の武蔵野と浦総の試合見に行きまし…見に行ったしあんた有名だろ」
榛名のことはよく知ってる、俺にとってちょっとした憧れの投手だし、あんな球投げる榛名はすごいなと素で思う
「あぁ!タカヤが見に来てたやつか」
「タカヤ…?」
「あれ、知らない?西浦なんだけど、すっげー生意気な奴だよ」
西浦…タカヤなんていたっけ?
生意気だけじゃわかんねーよ
「ぉ、俺次の駅で降りなきゃだわ、アド交しねぇ?」
いつのまにかどっかの駅についていたらしい、家この辺なのかな
「いいよ」
パカっとケータイを開けて自分のアドレスを出す
「赤外線ある?」
「赤外線?」
「知らねぇの?」
「おう」
そんな自慢げに言うな