文
□Dear Francis POoL
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光が吹き溜まりになった場所で、君に逢いたい。
たとえそれが形をなさなくても
【Dear Francis POoL】
気がつけばもう夏も終わりだった。自分たちは何事もなかったように新学期を迎え、受験勉強に勤しんでいる。
(ディア・フランシス、
僕は夏が恋しいが為に、今残り少ない時を蔑ろにしてしまっている。)
こういうのをバーン・アウトっていうんだろうか。いつまでも灰を握り締めたまま風の中で拳をほどけないでいる。
俺の夢ってなんだっけ。
そういうことを考え出すと何故か気持ちがどろどろしてきりがない。溜め息がひとりでに出る。机に俯いていた顔を上げれば周りは受験生だらけだった。放課後の図書室なんてこんなもの。そんな風景に一瞬違和感を覚えたが、そんなの感じたら受験生として負けだと思い直し、ノートを開いた。
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