物語B
□愛の熱
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今日は久し振りに、サソリが私に逢いに木ノ葉まで来てくれた!
彼はあの暁の人だから、滅多に逢えないの。
―…逢っても、人目を阻んで。
まるで密会の様に。
それでも、いいの。
好きって気持ちには…、逆らえないから―…。
「―…サソリ、私以外の所でヒルコから出てるんじゃないでしょーねぇ…?」
「当然だろ」
「私以外の所で出ちゃダメよー?アンタの顔、反則なんだから」
そう。反則的。
ヒルコはあんなに怖いのに………実際は、こんなにも綺麗な赤い髪をした―…綺麗な顔。
「まるで詐欺師よねー」
「煩い」
見掛けによらず、歳もいってるらしいしさぁ。
「久し振りに会った、つーのに、愚痴何か聞きたくねぇ」
「はいはい。愚痴とは違うわよ」
顔と正反対の口の悪さ。
反則だわー。
「サソリー。次はいつ会えるのー??」
「さぁな」
「……浮気しても知らないからー」
「…いの。浮気したら、どうなるか…………当然解ってるよなァ…?」
「あ…あはは。じょ、冗談よ」
サソリの顔、怖いわよ。
何考えてんのか全然解んない黒笑い。
「一途な私が浮気なんかする訳ないでしょー」
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