物語B
□貴女が贈る深紅の薔薇
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昔―…。
俺が、まだ木ノ葉にいた頃―…。
× × ×
「行ってきます」
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい。頼んだわよ」
母さんに頼まれて、弟のサスケと花を買いに行った。
店の名前は『やまなか花店』。
「サっスケく――ん!!」
「!!!」
店につくと、早々女の子が飛び出して来た。
「いらっしゃ〜い!」
髪は短く、綺麗な碧い目をしていた。
サスケと同い年位か…?
「くっつくなよ…」
その子は、サスケに思いっきり抱きついていた。
……積極的なんだな…。
「サスケくん、この人は……?」
「こんにちは。俺はイタチ。サスケの兄だ。―…君は?」
俺が優しく言うと、彼女は笑った。
「いの!山中いのです!」
「…初めまして、いのちゃん」
頭を撫でてあげると、更にニッコリと笑った。
「ここのお花屋さん、私の家なのよ!」
自慢気に言う彼女は、小さい子らしく、少しはにかんだ様な笑顔だった。
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