物語B
□出逢い
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フラれたも同然で
恋に疲れた私を
救ってくれたのは
大好きなあの人の
お兄さんだった。
× × ×
「ひっ…」
なんなのよォ…。
「…っ…」
サクラがサスケくんと同じ班になってから…。
二人の距離が、物凄く縮まった―…。
一緒に任務をこなして、たまにお泊まり任務が入ったり…。
「ぅ…うぅ…っ」
いつも強がってる私だって。
―…たまには泣きたいわよ…。
今日も何処かで…一緒に任務をしてるのかもしれない…。
「サスケ…くん…っ」
不安で堪らない。
私の方が、先に好きになったのに―…!!!
私は、誰も居ない事をいい事に…里の外れの丘の上にある大樹の傍で、泣いていた。
ここには、誰もこない。
だからなのかな…。
野花が沢山で、綺麗…。
「―…っ」
泣きたい時はここに来る。
気が晴れたら帰る。
それが普通だった。
だけど…、今日は違った―…。
× × ×
ザッ…。
「!!?」
足音がした。
私はいそいで涙を拭いつつ、警戒しながら声をかけた。
「だ、誰!!?」
人が来るなんて…。
「!!」
それだけでもビックリだったのに…更にビックリ。
黒地に赤い雲の模様をした衣装…。
身の笠から覗く、朱い瞳…。
綺麗な眼…。
―…アレは…写輪眼―…!!!?
「…誰なのよ!」
写輪眼だなんて…ただ者じゃない筈―…!
「……」
「!」
笠を取ったその人は
サラサラした黒髪
長い睫毛
整った顔―…。
とても綺麗だった…。
―…額あてに……傷…??
……誰かに似てる…。
…そう…。
私が、今一番会いたい様な……会いたくない様なヒト―…。
「サスケ…くん…?」
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