ミカガエ
□お題『料理中に後ろから抱きつく』
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(ガエリオのジャケットの背中を「ん」って摘む感じで)
「何やってんの」
「おわ!…三日月、お前いきなり背後から近づくのはやめろ…!
握っていたのが包丁だったらどうする!」
「なにこれ」
「ん、ああ、アトラが今買い物でいないだろう?暇だったから、アトラの邪魔にならないのならと残っていたもので焼いてみたんだがな。
クッキーと、あとはほらスコーンがある」
「え…アンタ、料理できたの」
「料理というか、せいぜい焼き菓子くらいだ。それもそんなに凝ったものでなければ、程度だぞ。
アルミリア…妹がマクギリスにやるんだと騒いで俺を散々付き合わせたせいで、妹より俺の方が焼けるようになってしまって」
「へえ」
(ひょいぱく)
「!おいそれはまだ」
「……あっつ…!」
「ほらみろ。全く、天板から下ろしてもいないのにお前は。
食べるならこっちにしろ」
「……美味い…」
「そうか、久々だったがやってみて良かったな」
「…」
(ひょいぱく)
「!だからちょっと待て!勝手に食べるな」
「(もぐ)ひゃんで(なんで)」
「三日月、お前スコーンを食べたことは無いのか」
「これ?無いけど…美味いよ?なんかダメなの?」
「どうせならクリームも乗せろ。せっかく作ったんだ、ほら」
「……!なにこれ」
「美味いか」
「すごく」
「だろう」
「……あ」
「ん?…っ」
(ガエリオの指舐めるミカちゃん)
「付いてた…美味いね」
「お前は…っ…まあ気に入ったのなら、いい…。
本当なら生クリームよりクロテッドの方が良いとはいえ、さすがにあれを作るのは手間も材料も足りないな」
「?…もっと美味いの?」
「好き好きだろうが、まあそうだ。相性はずっと良い」
「ふーん…」
「……分かった、そのうち作ってやる」
「え」
「しかしあれはミルクによるからな、ここで手に入るかは…
とりあえずオルガにでも頼むか。お前がねだればどうせ一発だ」
「分かった」
「なんだお前、珍しく本気でオルガに頼みごとをする気で…
ん?いや、どうせ頼むならクリームそのものを買わせたほうが早」
「だけど、アンタも作れるんでしょ?」
「?まあ、それは」
「作って」
「は?待て、所詮俺は素人だ、どうせなら俺が作るより既製品を買った方が美味いに決まっているぞ?」
「関係ない。俺は他の何とかっていうのは知らなくても別にいい。
アンタが作ってくれるのが美味いって分かったから、それでいいよ。アンタがいい」
「…//
お前の場合、これが無自覚だから性質が悪…ほら、他の連中に見つかる前に食べておけ。
クリームはそんなに量が無…」
「あ」
(ボウルごと落ちる)
「っつ…」
「ごめん、受取り損なった…足、大丈夫?」
「ああ、たいした重さではないから平気だ…が、これはもうダメか、俺も悪い」
「え?そうでもないよ」
「何?」
(ぺろ)
(手の指の間とか、その他ガエに散ってるの舐めてるミカちゃん)
「ん…!?やめろ、意地きたな…っぁ!」
「やっぱり美味い、アンタも」
「!!?」
「俺だけ食べたってばれるのも面倒だし、誰か来る前に片付けないと」
「ま、待て普通に拭けば済…ん―――!」