ミカガエ

□mirage-extra-
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「…話、話か。したければすればいいだろう」

「だからその、俺は見たこと無かったアンタの顔見てみたいって思って、それだけで」

「ああそれは分かっている、お前にとってはそうなんだろうな」

「ごめん…だけど謝ってもさ、…謝り方とか、納得できないとかそういうのじゃなくて
アンタに届いてない気がするんだけど。俺はどうしたらいい」

「…どうにかしたいのか」

「したい。俺のせいでアンタが俺を見ないから、だから」

「…違う」

「は?違わない」

「そうじゃない!」


(ぎゅうっ!ってミカちゃんの肩に頭沈める感じの)


「腹は立っている!お前は『俺』だからいいと思ったんだろう」

「うん」

「それは結局、…お前の隣にずっと居たのは俺だ。分かっているのか三日月…!」

「うん」

「…お前は別に、少し興味があるからと徐に手を出したわけではないんだろう。
俺が」

「そう、アンタだったから」

「欲しかったからか」

「…そう」

「だろうな、そんなことくらい分かっている……だから、どうしたらいいのか分からないのは俺の方だ。
お前に腹を立てているだけなら良かったのに」

「…アンタに、触ってもいい?」

「なに?」

「いや、あいつに触った手で触るなとか言うかもって」

「誰がそんなヒステリックな女のような女々しいことを言うものか。
大体、この数日も別にお前を拒否したことはないだろう」

「まあ、そうだけど。いい?」

「…好きにしろ」

「うん」


(背中に左腕回すミカちゃん)


「アンタが俺のこと嫌いになったんじゃないのは知ってる」

「…当たり前だ。手放すつもりなどないぞ」


「でも怒ってる」

「…」

「それって、俺にだけじゃないんだ」

「…怒っているだけでは…
お前が仮にオルガやアトラに手を出したというなら、もっと分かりやすくお前を罵っている。
誰がすんなりお払い箱になってやるものかと怒鳴って、それで済んだんだ」

「ごめん」

「だから…それだけではないと」

「でもやっぱり俺が原因だし。
アンタ、俺のこと全部欲しかっただけなんでしょ?」


「…っ」
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