ミカガエ

□mirage
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ティーカップの波紋を眺めて顔を上げると、そこにいたのはマクギリスではなくなっていた。


「なんだここは!」

「え!?どうしたんですか?」

「!?どこに…」

(下を見る)

「何だ?お前どこかで…
!あのクソガキと会ったあの農場で見た、が…ならそうか、俺は夢でも見ているのか」

「あの、ガエリオさん」

「大体なんだこの服は、ツナギか!?」

「本当にどうしたんですか?三日月にお掃除当番また押し付けられちゃったから、疲れたのかな」

「みかづき」

「ガエリオさんが甘えさせてくれるからって、三日月はいっつも甘えすぎですよね!」

「…誰だ、それは。
いや…そう呼ばれていたのはあのクソガキしか知らないが…」

「えっ…えっと、うん、それくらい厳しくしてもいいと思いますけど。
本当に大丈夫ですか。ちょ、ちょっと今三日月呼んで来ますから!!」



「どうしたのアトラ」

凍りつくというのは本当にこういうこと



「夢の中でまで貴様に会わないといけないとはな…!」


「あ!三日月どこに行ってたの!」

「オルガがタービンズに用事があってしばらくあっちに行くっていうから…でも、戻ってきただろ」

「反省した?」

「…ラフタに『ほっとくな』って怒られた。まあ確かにまずかったかなって」


「おいこのクソガキ!」

「が、ガエリオさん!?」

「え…アンタのそれ久しぶりに聞いたね」

「なんかガエリオさんが変なの、絶対三日月のせいで疲れてるんだって!ほら三日月謝って!」


「いや悪かったけどさ、なんか…」

(じっ)



「謝るから、ちょっと歩こ。チョコの隣の人」

「ちょっとなんでそんな呼び方するの」

「だって前はずっとこう呼んでた。ね、『ガエリオ』」


「…!?」


「もう、それってガエリオさんがギャラルホルンに居た5年くらい前じゃない。今そんな風に呼ぶのはやっぱり失礼だよ三日月」

「ん。ごめん、つい。もう全部掃除片付いちゃったの?」

「もうとっくに道具片付けてるとこだよ、これからお洗濯手伝ってくれるって。三日月も少しは見習って」

「いや!…そういえば、まだ忘れていた所はあったな」

「あれ?そうでしたっけ?私途中から気づいたから…」

「そ。じゃあそこはさすがに俺がやるから、悪いけど一緒に来て」


「…ああ」
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