本編
□第一話
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いつの間にか
あいつは
俺の中に
入ってきていた
あいつが何故あんな終わりを迎えなくてはならなかったのか、俺なんかが考えても、答えが出るはずもなく、俺は今でも悩み続けている。
もしかしたら、今の俺には、あいつと過ごした日々、出会ったことでさえも、重荷になっているのかもしれない。
一体、今は存在しないあいつが、俺の横に当然のごとく存在していた時、そんなことを考えついていただろうか?
いや、きっとあいつは、そんなこと思い付きもしなかっただろう。
あいつはそんな奴だ。
ひょっこり現れて、簡単に消える。
それこそポックリと。
生きるにしても、死ぬにしても、本人がその考えに辿り着く前に、行動は終了している。
まぁ、あいつほど日常に死というものが似合う奴はいなかったけど。
いや、ゴロゴロといて欲しくもないが…。
あぁ、そういえば―――
あいつと出会ったのは
墓の前だった