Daily-Glue.
□3.ドンケからの復活
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「そこぉ!!カーブは上半身を斜めにしろ!!」
「バトンを貰う側は右、渡す側は左を使え!!」
さっきからずっとグラウンドに響いている、砕蜂の怒声。
朝っぱらからあんな声が出せる彼女の体力は、
一体何処から湧き出ているというのだろう。
くそぅ。体力バカめ。
ぼそ、と呟いた瞬間、砕蜂に凄い勢いで睨まれた。
あ。バレてた。
聴力も良いらしい。
「七瀬−!!」
誰かの声に振り向くと、いつのまにか、由紀子の走順だった。
彼女、足は特別速い、なんてことは無いけど、こういうものになるとかなり燃える。
由紀子自身があんなに熱心だから、彼女への応援も熱くなる。
「由紀子−!!頑張れぇー!」
私も、声を張り上げた。
「おい鈴平。次、お前じゃ無えのか」
背後から、黒崎に突っ込みを入れられる。
…はい、仰る通りです。
他人の応援に熱中しすぎて、自分の出番を完全に失念しておりました。