学園生活

□白玉椿姫 下
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琴音が柊を裏庭に呼び出したと聞いた俺は、他人には黙ったまま、こっそりあいつの後を付けていた。
ストーカー呼ばわりされそうな気もしたが、正直、もうどうでも良かった。

しばらくすると、ユニフォーム姿の柊が、琴音の前に現れた。
琴音はうつむいたまま、きれいにラッピングされた包みを差し出す。
柊はそれを、ありがとう、と言って受け取る…はずだった。

ところが。

柊は琴音が差し出した包みを払いのけ、冷たく言い放った。

「俺、時枝のこと好きじゃない。むしろ、嫌いだ」
「え…」

琴音が凍りつく。

「お前さ、中学の時は地味で、苛められてたんだろ?それがどうしてこんな真似してんだよ。
俺はそういうのが一番嫌いなんだ。分かったら早くここから消えろ。虫酸が走る」

そこまでいった柊は、琴音の胸ポケットからはみ出た、携帯ストラップを指差した。

「そのストラップも、外してくれない」
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