学園生活
□白玉椿姫 上
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俺の名前は、日番谷冬獅郎。
とある公立高校の、今は1年だ。
「あ!冬獅郎ー!!」
ある日俺が廊下を歩いていると、背後から、俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
振り向いてみると、小学校の頃からのツレ、時枝琴音が、笑顔で駆けて来ていた。
「…琴音…」
俺がつぶやくと、琴音は俺に、バッ、と何かを差し出した。
「はい、これ、借りてたノート。遅くなって、ごめんね?」
琴音は申し訳なさそうにそういった後、軽くウィンクしてみせた。
「別、構わねえけど…」
「ありがとう!またね、冬獅郎!」
琴音はまた笑顔になり、軽やかな足取りで、もと来た道を戻り始めた。
返却された俺のノートからは、かすかに、あいつの香り…ラベンダーの香りがした。