学園生活

□凍てつく昏鐘 上
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秋も末になった、ある日のこと。

私は生徒会の役員会議に出席していた。
議題は…。…今となっては、もうどうでも良いような事。
それでも議論はまとまらず、窓の外はもう夜の闇、だった。

「興津さん、お母さんから、電話が入ってる」
生徒会室に、顧問の女教師が入ってくる。
私は黙ったまま席を立ち、女教師に連れられて、職員室に向かった。

…今の時間は、午後6時半。
こんな半端な時間に、母さんから電話?

不思議に思いながら、受話器を手に取る。
「はいもしもし?」
「…美咲、時枝さん宅の琴音さんが、亡くなったって」
受話器の向こうの母さんの声は、いつにも増して、沈んでいた。
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