Daily-Glue.

□8.ベッドから落ちました
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1日目は、すぐに終わった。
慣れない環境に放り込まれた時に起こる、
時間の感覚の狂いが生じていたらしい。

日番谷は、二段ベッドの上段に上り、そこで自分の荷物をめいっぱい広げてみた。
めいっぱい、といっても、彼自身荷物はあまり持って来ていない為、少々高が知れるが。

「なぁ冬獅郎、お前、ペットボトル持ってねぇか?」
隣のスペースに陣取っていた一護が、日番谷の方を向く。
日番谷はぐる、と荷物を見回して、そこから一本のボトルを取り上げた。
昼に支給された、清涼飲料水…コーラの残りらしい。
残りとは言っても、実際は未開封のままである。
「…これなら」
「充分だぜ、サンキューな」
一護はニヤッ、と笑ってそれを受け取り、ベッドの渕にそれを立てかけた。
そして日番谷は、内心一護の挙動に疑問を感じながらも、
何食わぬ顔で就寝準備を始めた。


「てめぇ、何やってるんだオイ!!!」


歯を磨き終わった日番谷が部屋に戻って来ての、最初の一言。
…一護が、日番谷のコーラを思いっきり上下に振り、
まさにそのキャップを開封しようとしていた。
そして彼の傍らには、恋次が内緒で持ってきていたラムネ菓子。
これだけで、彼らが何をしようとしているのかは充分に分かる。

日番谷の顔が、一瞬にして凍りついた。
 
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