The Viorent Wisdom〜A Plotter Of the Reverse

□消えた副隊長
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翌日の早朝。
日番谷は真央霊術院へ向かう前に、副官室へと足を運んだ。

…前夜の大口論の後、冷静になって考えてみた日番谷は、結局
「松本の言っていることは正しい」
という結論に辿り着いた。
確かに、結華が乱菊以外の隊員と談笑しているのは、見たことが無い。

「やはり網走と越生は、離しておいたほうが良いかも知れねぇな…」

と考えた日番谷は、昨夜乱菊が持ち出さなかった割り当て表に筆を加え、
二人の配置をそれぞれ別のところへ離した。
そしてそのまま一番隊の隊舎に向かい、元柳斎と直談判して、新しい割り当ての許可を取った。

本当はその足で副官室に割り当て表を持って行くつもりだったのだが、
一旦隊首室に戻った時に力尽き、布団に倒れこんでそのまま眠ってしまった。
元柳斎はかなりの石頭でなかなかうんと言わないものだから、
日番谷の直談判は夜更けまで続いた…だからそのまま副官室へ向かう気力も体力も、ほとんど残っていなかったのだろう。
それで、約3時間の睡眠の後、こうやって副官室にやってきた…という訳だ。

「松本…いるか」

日番谷は障子戸の向こうに、声をかけた。…が、返事はない。

「…まだ寝ているのか…」

乱菊が眠っているのなら、彼女は霊圧を閉じているのだろうから、
返事が無いことも、霊圧が感じられないことにも、得心がいく。
それに、今は朝の6時半だ。乱菊は、あと30分もしないと、起きては来ないだろう。

日番谷は懐から筆ペンを取り出すと、紙になにやらサラサラと書き込んだ。
そしてそれをきれいに丸めて、副官室の郵便受けに突っ込んだ。
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