The Viorent Wisdom〜A Plotter Of the Reverse

□乱菊の苦悩
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数分後。
執務室の扉が音も無く開き、乱菊が入ってきた。

「お呼びですか、隊長」
「…来たか、松本」

窓の外を眺めていた日番谷は、椅子を回転させ、乱菊に視線を合わせた。
しばらくは二人とも無言だったが、不意に、日番谷が口を開いた。

「最近、謎の一団が流魂街を荒らしまわっているそうだ。
そこで各隊から数名ずつ輩出し、討伐隊を編成することになった」

日番谷は話しながら、文机から二本の巻いた紙を取り出した。
「…これが、その隊に加える人員リストだ。それから、奴らの手がいつ、この静霊廷に延びるか分からない。
だから静霊廷全体で第二級警戒態勢を取る様、総隊長から指示がでた」

そう言って、巻いた紙を乱菊に渡す日番谷。

「…何故、アタシにこれを?」
「俺は明日一日、霊術院の警護を任されたから、隊舎には戻らねえ。
…だから松本、明日、この中身を隊員達に知らせてくれ。…頼むぞ」

頷きながら乱菊は、日番谷に渡された紙筒を開き、淡々とそれを読み始めた。

そして、ある部分で目が止まった。

「隊長。…一つ、言いたいことがあるのですが」
「…何だ」

日番谷が、顔を上げる。

「その…、ここなんですが、隊舎門警備に網走と越生を一緒にしているところ、
これ、二人を別にして頂けませんか」
「…理由は?」
「はっきりとは分からないけど…、この二人は、一緒にすべきでは無いと、直感的に感じたんです。
このままだと、越生があまりにも不憫です」
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