訓練所
□蟹座×双子座(弟)
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最近、カノンは巨蟹宮に来るのが日課になっていた。
「デスマスク、邪魔するぞ。」
「また来たのかよ…」
いつもの場所に座ると煙草に火をつける。
「仕方ないだろ。双児宮で吸うとサガがうるさいんだ。それとも私にこの寒い中外で吸えというのか?」
気持ち良さそうに煙をはくカノンを横目にデスマスクも煙草に火をつける。
それを見たカノンは目を丸くした。
「お前…ホープなんか吸ってんのか?」
「わりぃかよ。自分こそ、この間は禁煙するとか言ってウルメンケント吸ってたくせに…クールに戻ってんじゃねーか。」
確かについ先日までケントのウルトラメンソールを吸っていた・・・というか今も上着のポケットの中に入っている。
「1ミリは吸った気がしなかった…あれはストローだ。フィルターが長くて吸うのが疲れる。煙もでんし余計イライラするのだ。」
ケントを吸っててミロに『おっさん煙草』と言われたのは黙っておく。
カノンは煙と共に溜め息をついた。
「そう簡単には止められないな…」
「ははっ。無理無理〜。そういえば1ミリの煙草でもフィルターの部分を外せば、ちったーマシになるぜ。」
デスマスクはニヤニヤしながら煙をはく。
「そうなのか?…しかし、なんか口の中に入りそうで嫌だな。」
カノンは眉を寄せて煙草の灰を灰皿に落とした。
「まぁ、やってみる価値はあるって。持っているんだろ、ほらよこせ。」
デスマスクはカノンに向かって手をつきだす。
「別にもう吸わんからかまわないが。」
カノンはポケットからケントをとりだしその手に渡した。
デスマスクは慣れた手つきでそこから一本とりだしフィルター部分を外した。
「ほれ。吸ってみ?」
フィルターが外され、紙に葉っぱがつめてあるだけの状態。吸ったら葉っぱが口に入りそうだ。
「………正直、とても抵抗がある。」
「興味もあるだろ。」
「わかった。吸うよ。」
「吸い口は押さえないと口に入るぜ。」
カノンはフィルターがあった部分に口をつけ、火をつけた。
・・・・
「微妙だ…。確かに強くなったが、まずい。」
「そうか?俺はいけるが」
フワッ
不意に巨蟹宮全体に薔薇の芳香が漂った。デスマスクが入り口をみると、アフロディーテが立っていた。
「ずいぶんとヤニ臭いな。」
「そういうお前も吸いに来たんだろ。」
優雅な動作でデスマスクの隣に座る。
「私の美しい宮がヤニ臭くなるのは耐えられないからね。…おや、今日は弟君がいるのかい。」
「…カノンだ。気兼ねなく吸えるのは巨蟹宮だけだからな。だが、そろそろ失礼する」
「待ちたまえ。これを吸ってみるといい。」
「おいおい…」
アフロディーテは素早くケントのフィルターを外すと、先端部分に何かをつめた。デスマスクはその手元を見て眉を上げた。
「・・・わかった。」
拒否するのが面倒になったカノンはそれに火をつけた。
「う゛っ、ゲホッ、ゴホッ」
「まぁ、そうなるわな。」
デスマスクは勢いよくむせこむカノンの背中をさすってやりながら、『やりすぎだ。』とアフロディーテをみやる。
アフロディーテは口元に笑みを浮かべて平然と煙草を吸っている。その手には一味唐辛子が…。
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ケント吸っておっさん煙草って言われたのも、フィルター外して唐辛子仕込まれたのも、全部私ですw
唐辛子はやばかった…
流石にこれはデスカノに見えないので、
その後につづく。