はやブレ
□満月
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「何だっけかな?『満月の夜はヒトを狂わせる』だったっけ。」
唐突にそんな言葉が頭をよぎった。
誰の言葉かは忘れたけど。
「あぁ?何よ急に。」
相も変わらずこのパステルゲーマーはコントローラーをガチャガチャさせ、興味ないといった雰囲気を漂わせている。
「だからぁ、満月にはヒトを惑わす力があるって事。」
ていうか、人がせっかく説明してやってんだから手ぐらい止めとこうよ…
「ふ〜ん。」
だめだこりゃ…完全に意識がゲームにむいちゃってるよ。
こうなった綾那をこっちに引き戻すには…
「ぃよっ!萌え眼鏡の最終兵器!パステルランジェリーざむら、ゴフッ!」
「貴様、いよいよ死にたいらしいな。」
こ、こういう事だけはちゃんと聞いてやんの…、っていうか
「ま、待って綾那!いつの間にあたしの後ろに!?」
素早すぎだよっ!本職のあたしですら気づかなかったのに。
しかも愛用の釘バット装備済みで…
「げ、ゲームはもういいの!?」
そうだ!このゲームはまだ綾那クリアしてないはず!
「そんなものとっくにクリアしている。」
早いよ!ついさっきまで半分しか進んでなかったじゃん!