夢小説
□04
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紀田正臣で10のお題
04:不安
(不安にだってなるよ)
「やーやーこんなコンクリートジャングルにこんな美しい人が!俺とお茶でも行きませんか?いや、答えは勿論イエスですよねぇ!聞かずもがなわかりま…あっちょ」
『…………』
何 だ こ の 状 況 は !
何で彼女連れでナンパしてるのこの男
そう、この男は紀田正臣
ナンパ男であります
いや、だからってさ…!!
彼女が居る前でナンパはねぇだろうがよ!(巻き舌)
『ねぇねぇ正臣』
「ん?」
『……だから、いつまでやるの』
「いつまでって何が?」
『ナンパだよナンパ』
「ああ、え、駄目?」
駄目?
って………
『…あのね、私は正臣の何なの?』
「彼女」
『即答かよ。じゃあ何で彼女の前でナンパしてるわけ?』
「えー…」
ちょ、何だその反応は
正臣は本当に私のこと好きなんだろうか
私は正臣のこと好きだよ、うん
ああ、不覚だけどね
だから思い切って告白したのに
何も変わらない
不安にだってなるよ
『……もういい、ばか正臣!』
「あ、おい!」
私はそれだけ言い残すと正臣の前から走り出した
人混みを掻き分けて進む
ああ、どうしてこんな
惨めな気持ちにならなきゃいけないんだ───
◇
『……はぁ、はぁ』
気がつくとそこは知らない場所
何も考えずに走ってきちゃったから
どうしよー…
『…………』
あ、やばい
帰り道わかんない
『……まさおみーのばかー…』
「何?」
『っわぁ!!』
急に正臣の顔が出現
っわ、変な声出た、あああ、うああ
「何で急にどっか行くんだよー」
『だ、だって正臣が!』
「俺が?」
え、何この人
まさか自分が原因だって気付いてないわけ?
そう考えるとなんだか変な気持ちがむくむくと溢れてきた
『…正臣が、やきもちばっかり妬かせるからいけないんだよ』
「…え?」
『正臣、他の女の子ばっか…っ』
そこでぷつん、と私の言葉が途切れた
いや、正しく言えば塞がれた
塞がれた…そう、口を塞がれたのだ
『……なっ!//』
空回りなやきもち
(そんな可愛い事されたらもっと妬かせたくなるんだけど)(馬鹿!)