D灰
□普通の私
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人は眠りが浅いと夢を見ると聞いたことがある
嘘か本当かも分からないけれど
私は今すごく嫌な夢を見たように感じた…
『(だるい)』
目が覚めてボーっとしながらなんとなく思った
たまにこんな事はあるから気にしない
『ラビ…』
昨日の夜、夢小説を読んだからだと思うが
なぜだかすんなりと彼の名前が口から出てきた。
――願いはいつか叶う――
最後に読んだ夢小説にはその言葉が書いてあった
別にその言葉を無理やり捻じ曲げるようなことを考えたり、
かといって小説に出で来るような純粋な子のように
その言葉を信じきっていると言うわけでもない
『私の願いは、トリップすること』
馬鹿みたいだと心のどこかで思っていながら
叶えばいいと本気で願っている心もある。
でも、そのようなことが出来るはずないとも分かっているつもりで
だから今の状況はありえないことも分かっているつもりだった
どこかも分からない教会に座り込んでいる
普通の私
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