木の葉の紅い狐

□第伍話
1ページ/10ページ




夜の帳が木の葉の里を包み込んだ。

三代目火影は窓から里を見下ろしながら、煙管をくわえた。

じわっと湿った風が吹く。

いつもと変わらない夜のはずだった。

だが心なしか胸騒ぎがする。

何か良くないことが起こりそうな、そんな予感――


「火影様!!」

「なんじゃ騒々しい」


三代目の思考を遮るかのように、1人の忍が駆け込んでくる。


「し、失礼しました。たった今暗部からの報告で、里に何者かが侵入したと……!!」


嫌な予感は大概当たる。


「厳戒令を敷け!!すぐに手の空いている忍を召集するのじゃ」


三代目は駆け込んできた忍に素早く指示を出した。

緊急用の伝書鳥を四方に飛ばす。


「(狙いはユウカか……!!)」


眉間の皺を深くした彼は、他とは違う内容の鳥を飛ばした。

それは銀髪上忍の家の方向へ羽ばたいて行った。






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ