ニンゲンの世界

□痛いくらい
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 痛いくらい


白い壁

脆弱で崩壊しそうな

けれど誰も壊そうとしない

壊そうとすれば自分も生き埋めになるから


ある日飛んできた一本の矢

眩しいくらいに穢れなく

真っ直ぐな矢は深々と刺さる

痛い

消えない

けれど苦しくはない

脆弱な壁はその矢によって隙間を埋め

強固で頑丈な黒い防壁となった


放ち手は今も

痛いくらい眩しいまま



















2007/8/10 21:23

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