夜、いつも通りに予定
を鞄にいれて気づいた
。学校に、宿題を忘れ
てしまったと。

「あー、あのレポート明日までなのに!」


夜11時過ぎ。こんな時
間に学校に来る人なん
て稀だ。校門の横の、
僅かに開いた場所から
校内へはいる。私の教
室は三階…だけど、私
はあのレポートを体育
を見学して終らそうと
していた。だから、き
っと体育館にある!


夜の学校は怖い。廊下
は真っ暗で、おばけが
出るかもしれない。か
ら、私は全速力で廊下
を走った。


ふと、体育館が明るい
ことに気づく。よかっ
た、先生たちがいるん
だ。と安堵し、扉を開
いて私は絶句した。



「クフフフフ……



舞い戻ってきましたよ。





───輪廻の果てから」



なっ…何いいい!?!
映画の撮影か何かだろ
うか。変な髪型の人が
霧?から出てきた。し
かも赤ちゃん浮いてる
し?!何よ、これ!!



ガタン、寄りかかって
た扉が音をたてた。ち
ょっとぉ!なに音たて
てんのよ!なんて言え
ない。全員の視線が私
に集まった。


「ししし、アイツ何?」

「っな、皆瀬さん?!!」



視界に映った髪型、あ
れは沢田くんだ。よか
った、と思って大きく
手を振った。


「沢田くんー!!」

「なんで普通に手、振ってんのー!!!?」

「これ、映画の何かー?」


普通?普通じゃないか
ら。私の足、ガクガク
じゃない!

突然、私の頬を何かが
掠めた。トン、と音が
して見ると、ナイフ。


たらり、ぽたり。頬か
ら流れたものが床に落
ち、静かに音をたてた



「ひっぎゃあああ!!WHAT?!
ちょっとお!宿題取りに来ただけなのに何なのよー!!」


「宿題?…これのことか。」


ふと、椅子に座った人
が話しかけてきた。手
にあるもの、それは確
かに私の忘れ物。



「そう!…です。プリーズ・ミー!!」


兎に角早く帰りたい!
その一心で私は言葉を
発した。


「…ハッ。おらよ」


何か笑われた?!疑問
に思いつつ、投げられ
た宿題を受けとる!…
ハズだった。


宿題は私が伸ばした手
に当たらず額にあたっ
た。紙束のクセに威力
があったのは、あの椅
子の人のせいだよね?


私は、咄嗟にサンキュ
ー!!と叫び体育館を
出ていった。




未知なるわーるど!



「皆瀬さん、普通に話してたー!!」
「変なヤツ。って、ボス、機嫌いい?」
「うるせェ。」



((もう、夜の学校なんて行かない!))







091117






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