物語1
□『私の大事な旦那さま』
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『私の大事な旦那さま』2
結婚してからが、一番幸せ。
今、思うと、よく堪えたものだわ。
私は、こんなにクリフトが愛しくて仕方ないのに。
今も、忙しく仕事をするあなたをチラチラみて、
ふぅっ、とやっと、ソファに座って一息ついたところを、
私はダッと駆け出して、ちょこんとあなたの膝の上に座り、
あなたの胸に、頬を寄せる。
「かわいいなあ、猫みたいだ。」
あなたがそう言うから、
私はすっかり猫になりきって、
「にゃーん。」
って、うっとりしながらあなたに甘える。
絶対こんなこと、結婚しなきゃ出来なかったわ。
特に旅の最中なんか。
クリフトに甘えたくても、どう甘えたらいいのか、上手な気持ちの表し方がわからなくて、もどかしくて、裏腹な行動をとってしまったことがあった。
今、思うと、よく堪えたものだわ。
私は、こんなにクリフトが愛しくて仕方ないのに。
今なら、あの時こうして、クリフトにすっかり、自分の本性を曝してしまえば良かったのにって、心から思う。
だって、クリフトは、ずっと私を受け入れてくれていたんだから。
今だって、
猫みたいに、あなたに甘えて、
あなたの指を舐めてる。
あなたは、もう片方の手で私の髪を撫でながら、
ちょっと、恥ずかしそうにしながらも、
そのままでいてくれる。
昔だったら・・・
結婚前のクリフトに、こんなことしたら、
あなたは、なんて言ったかしら?
きっと、お説教されたものが関の山ね。
「け、結婚前の男女が、こんなことをしてはいけません!」って。
だけど、もう。
クリフトは、私の旦那様なんだから。
二人で、永遠の愛を、神様に誓ったんだから。
だから、もう。
こんなふうに・・・
「!!あっ、アリーナ・・・」
私は、あなただけに本性を曝す。
あなたも、そんな私を、受け入れてくれている・・・わよね?
おわり