物語1
□初夢
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「姫様。とある国では、1月1日の夜に見る夢を初夢といい、『一富士、ニ鷹、三茄子』として縁起の良いものを見るとその一年が幸せに過ごせるそうなのです。」
「ですからどうぞ、今日は良い夢を見てくださいね。」
「えーっ。どうやったら良い夢を見られるの?だいたい、『富士』ってなに?」
「その国では、富士山という山が一番高く、末広がりのきれいな形をしていることから、その夢を見ると縁起がいいとされているみたいですよ。」
「ふぅん・・・。でも、私、富士山をみたことがないから夢でわかるかしら・・・。」
「富士山でなくとも、姫様が幸せな夢を見たらよろしいんじゃ。」
「私が幸せな夢?」
「夢で会いたい方の写真を枕のしたに偲ばせて眠ると、その方が夢に出てくると言います(私は姫様のブロマイドを・・・)。」
「どうしよう・・・。私、写真もってないわ。」
「そうだ!クリフト、ブライ、今日は一緒に寝ましょう!二人とも私に腕枕してね。そうすれば夢に二人が出てきてくれるわ!」
「!!」
「い、いけません、そんな!」
「いいじゃない。お願い、初夢にはどうしても二人が出てきてほしいの。来年も、ずっと一緒にいてほしいの。」
「・・・わかりました。」
「やったあ!じゃあ、こうして、クリフトの腕に頭をのせて・・・」
「(わわわっ!!ドキドキ!!)」
「ブライの腕は・・・。二本腕があると寝づらいわね。ブライ、手をつなぎましょう。」
「はい(ほっ・・・姫様も重くなられたからの・・・)。」
「じゃあ、おやすみなさーい!良い夢がみられますように!」
「(私はきっと今夜は眠れません!姫様に腕枕をして眠るなんて・・・!!)」
「・・・ぐががっ、・・・うぐっ、・・・むにゃむにゃ。」
「・・・ブライうるさいわ。」
「眠れませんね。」
「クリフト、隣の部屋で二人で寝ましょ!腕枕してね。」
「!!・・・はい。」
---よい夢がみられますように!
おわり
→おまけ