物語1
□恋人同士2
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二人は、幸せだった。
まだまだ、慣れない「恋人同士」に戸惑うこともあるけれど、
そのつどお互い話し合えばいいのだ。
お互いを想い合っている自分たちなら大丈夫・・・そう自信をつけてきたところだ。
「・・・なんか、クリフトかわったな。」
「ええ。なんだか・・・。」
事実クリフトは、愛する人に愛されるという喜びが、自分に自信をつけ、強くさせた。
「アリーナさんも、かわりましたよね。」
「うむ。どこか、こう、なんというか・・・。」
「女の子っぽくなったわよね!」
皆がひそひそと二人について話していると、
「なんじゃ?なんの話じゃ?」
ブライが会話に加わってきた。
「!!」
「え、えーっと・・・。」
「お、女の子っぽいわよね、わたし!!」
「う、うむ。」
「そんな話を皆で集まって話しておったのか?」
ブライが不思議そうな顔をして、立ち去る。
(ふん、ワシが気付かぬ訳なかろう。あやつらを子供の頃から知っているのじゃ。ワシは何もしてやれんが、二人のために知らんぷりを決め込んでおるだけじゃ・・・)
「・・・ほっ。なんとかばれなかったな。」
「そうよね、ブライはアリーナの教育係なんだし。」「姫と従者の恋なんて、応援できる立場じゃないでしょうね。」
「うむ・・・。」
皆は、自分たちは何もしてやれないが、せめて知らんぷりをして二人の幸せを邪魔しないでおこうと決めた。
「・・・姉さん、勇者様。覗きもだめよ。」
「!!」
「で、でも!こっそり見守って、それで何か私達にできることもあるかもしれないじゃない!」
「そ、そうそう!俺は一応リーダーだしな、現状把握も大事な役目だぜ!」
「・・・。では、今晩・・・。」
「い、急ぐわね・・・。」
クリフトとアリーナは、この二人きりになった絶好のチャンスを楽しんでいた。
といっても、仲良くお話しているだけなのだが。
クリフトもアリーナも、この「お話の時間」を大事にしていた。
「・・・でね、クリフトが全部やっちゃったのよ。」
「申し訳ございませんでした。」
「あはは!何も謝ることないわ。見ていてとっても気持ちがよかったし。」
「姫様は、見ていたのですか?」
二人ともごく自然に、ニコニコと話しているけど、一体何の話だ!?
隠れていた勇者とマーニャは顔を見合わせる。
「うん!見てたたけでも満足したわ!クリフト、とっても上手で素敵だったもの。」
「!!」
ま、まさか!?