物語1
□恋人同士2
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「それは良かったです。現実でもそうなれるように、努力します。」
「あっ、だめよ!私より武道家として強くなっちゃったら、私の取り柄がなくなっちゃう。」
「??」
「・・・それにしても。夢のなかでも姫様にお会いできているなんて、光栄です。」
「・・・クリフト。」
そして、二人はキョロキョロと邪魔者がいないか確認し・・・。
しかし、残念ながら、邪魔者がいた。
「・・・なにしてるんですか?」
「いやっ、あはは!」
「だって、なんかまずい話でもしてるのかなって。『全部やっちゃったのよ。』とか、『上手で、素敵だったもの。』なんて・・・。」
察したクリフトが怖い顔で二人を睨む。
「えっ?なんのこと?私、今日の夢で、クリフトが武道家になって全部敵をやっちゃったのよ。武道家としての技が上手くて、素敵って・・・・・。はっ!!」
青い顔をして、アリーナが口を押さえる。
「どうしました?姫様。」「あのね、クリフト。私、そのままの貴方でいいからね。別に、武道家みたくなって欲しいとか、技が上手いのだけが素敵だなんて、思ってないから・・・。」
「あ、ありがとうございます・・・。」
赤面しながらクリフトが答える。
(はぁ、もうやってらんないな)
勇者は仲良くほほえみ合っている二人にあきれ、去ろうとするが、
マーニャがふいに訊ねた。
「で、あんたたち、どこまでやってんの?」
「!!」
それには勇者も釘付けになった。
あの、真面目くさって好青年を演じているクリフトと、おてんばだがお姫様のアリーナは、一体どうゆうアレをするのだろう。
「なっ・・・。なんのことでしょうか。おっしゃる意味がわかりません。」
「そう?その割に顔が赤いけど。・・・意味がわからないんだったら、教えてあげようかしら?」
「わわわっ!いけません、姫様の前で!」
「だって、私は二人にきいてるのよ?」
「ねぇ、なんのこと?・・・さっきから、私一人意味がわかってない気がするわ。クリフト、教えて。」
「!!」
「そうね、クリフトに手取り足取り教えてもらうといいわ!」
「い、いけません!姫様、世の中には、時期が来るまで知らなくてもよい・・・いえ、知ってはいけないものがあるのです。」
「時期って、いつ?勇者も知ってるのに、どうして私だけ知らなくてもいいの?」
「そっ、それは・・・!」