物語1
□アリーナのお世話
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昨夜はそれぞれ部屋をとり、夕食をとったあとは、クリフトはアリーナに着替えやお風呂の準備を手渡し、「疲れたから早く寝る。」と言われたので、各々自由に過ごした。
クリフトはブライに父のことを訊ねたいとも思ったが、今日のブライの様子をみてやめた。
入浴を済ませ夜の祈りを捧げると、寝不足もあり、吸い込まれるように眠った。
---翌朝。
クリフトが目を覚まし、着替えをしていると、
「おっはよー!よくねたわ!!早く朝ご飯をたべましょう!」
「わわわっ!!ひ、姫さま!」
「・・・!!きゃーっ、ご、ごめんなさい!」
(うわぁ、見られた!)
クリフトは改めて自分の姿を確認する。
よかった、ズボン履いてた!
じょ、上半身は裸だけど・・・。
しかし、姫様のあの反応。そういえば、自分は夏でも分厚い神官服を着て、半袖になどなったことがない。姫様に避けられたらどうしよう。
一緒に旅をするのだから、気を付けなくては・・・。今度から、ベッドの中で着替えて・・・いやいや、それよりも、姫様にレディとして、部屋に入るときはノックをする習慣を身につけていただかなければ・・・。
そんなことを考えながら食堂に降りていくと、顔を真っ赤にしながらアリーナがクリフトに謝った。
「ごめんなさい!今度から、きをつけるからっ!」
隣でブライが怖い顔をしてみている。
十分叱られたあとなのだろう。
クリフトはこれ以上自分が意見する必要はないと思った。
しかし、顔を赤くしている姫様をみていると、自分まで赤面してくる。
アリーナを直視できないまま、
「いえ、その、・・・はい。」とモゴモゴ言うのが精一杯だった。
食事をとり、少しばかり元気を取り戻した一行は、宿をあとにした。
ずんずん進むアリーナの後ろ姿をみながら、クリフトはあることに気付いた。
「・・・姫様。」
「なっ、なあに?」
またさっきのことを蒸し返されるのかと、アリーナは身を固くして振り返った。
「姫様、昨夜は髪を洗われましたか?」
「・・・・・。」
「姫様、髪に土が・・・。」「じ、実は・・・。」
アリーナは、昨夜のことを白状した。
お風呂の入り方がわからなかったこと、湯の出し方がわからなかったこと。
「で、でも、汗かいてたからタオルで身体は拭いたのよ。眠かったから、そのまま寝ちゃって・・・。」
「それでは、お顔も洗われてないのですか?」
「う、うん・・・。」
「!!」